中国市場が沸騰する日

近年、中国の通貨である元の引き上げを、米を筆頭に各国が要求しているというのを耳にしたことがあるのです。
現在の元の価値は、都省で働く一般労働者の月収が日本円に換算すると1〜2万円といったところ。しかし、ここ最近における中国経済の急成長を考慮すれば、この値はおかしいのではないか、実際の価値に見合っていないのではないかということらしいのです。もちろん中国政府は対外貿易のこともありますし、元の引き上げには慎重なようで、まだまだ現状のままでいきたいといっているようですが。

さて、もし元の価値が上がった場合、どのような効果が中国にもたらされるのでしょうか?
マクロ経済的な動向については、専門であるHaruka Kaitoさんにお願いするとして、ここでは中国国内における社会的な変化、就中、海賊版製品について考えてみたいと思うのです。


これまで、海賊版といえば中国といわれてしまうほど、モラルハザードまっしぐら国だったわけですが、それも中国内における一般家庭の家計事情を考えると、なんとなくわからない気もしないのですよ。
たとえば、中国で販売されているWindowsXPの価格は日本と同じだったりするんです。これを日本人の金銭感覚に置き換えて考えてみると、WindowsXPは4万円。XPのProfessional版なら12万円。さらにこれは沿岸部における比較的裕福な一般労働者の平均月収から見た価格。これが内陸部にもなると、WindowsXPは50万円近くにもなるらしいのです。
ゲームや映画のDVD等の価格もまた、日本よりちょっぴり安い(モノによるらしい)だけで、全体的にはほぼ変わらないとのこと。
つまり、基本ソフトであるWindowsはともかくとしても、趣味娯楽の一部である映画やゲームに、一本あたり2万、3万*1も出していられないのが彼らの感覚なのでしょう。
それならいっその事、路上で売っている一本500円〜2000円ほどの海賊版を買ってしまうわけで。
何故なら、
その価格が妥当だと思うからです。
よく考えれば悪い事ではあると思いながらも、この現状を見てしまうと、どこか納得がいってしまうのです。まあ、500円はいくらなんでも安すぎなんですが・・・。

*1:金額は全て日本人の金銭感覚に直しています