今日の答えはどこ?

先の8月22日火曜日に、終戦記念特別ドラマとして「最後のナイチンゲール」が放送されたのだが、どうもその内容に関してやばいんじゃね?とかひどいんじゃね?といった声があちらこちらでチラホラ聞かれる。もちろん「感動した!」「すばらしかった」との声もあることはあるのだが、私にはやはりどうしても批判的な意見が目立ってしまう。


その理由はこれだ。
「主演の長谷川京子が濡れ場を披露してしまった。」
椎名桔平がスッポンポンで奮闘してしまった。」



いや、だからといって私が特別にスケベなわけではない。違う、違うぞ。
私がここに注目してしまったのは、最後のナイチンゲールは恋愛ドラマでも、サスペンスドラマでもなく、戦争のドラマだったからだ。しかも終戦記念ドラマと銘打ってある。つまりは、教育のために子供と一緒に見ていた親も多かっただろうということである。そのような状況で、突然の濡れ場がはじまったのだ。海の中で激しくドカンバキューンズコーン!ちゃぶ台はひっくりかえるわ、剥き掛けのりんごが飛んでくるわ、おじいちゃんは入れ歯を飛ばすわで、日本全国津々浦々偉い騒ぎだったことだろう。一体何の目的でこのシーンを挿入したのかは、まだ作品全体を見ていない私には分からないところだが、少なくとも戦争反対系の映画で激しく濡れ場シーンというのは珍しいことではないだろうか。



ここまで濡れ場シーンについてのみ言及してきたが、このドラマの中で最も注目すべき箇所は極悪日本兵、天使の米兵という構図を作り上げたことだろう。「こんな悲惨な戦争を終わらせてくれた米兵に感謝」ということなのだろうか?だとすれば、それこそ恐ろしいプロパガンダだ。
一時期の事象のみで判断せず、歴史の流れの中で何が真実であるかを判断する力を持たないと、いいように騙されてしまうじゃねーか、とガクガクブルブルした15の夜でした。