ある晩のこと

その日、僕は普段より遅めの仕事を終え帰宅した。
時計の針は既に23時半を回っていた。
もうすぐで明日になる。
明日になれば、また変わらない日常がやってくる。
そして朝が来れば仕事に出る。

「はぁ・・・。」
ため息をつきながら、コップに一杯水を汲んで飲んだ。
飲みながら、何気なく居間の方に目をやった。
そこには、なんとも信じられない事に物凄い金髪美女がいた。
しかも素っ裸だった。
思わず、口に含んだ水を居間に向けてぶっぱなしちまった。
そして叫んだ。
「なんでやねんっ!」
そんな僕のつっこみにもお構い無しといった様子で、素っ裸の金髪美女は僕の方へと近づいて来た。
当然モザイクなどかかってない。
無修正のまま突っ込んできた。
そして僕の唇に手を当てると、こう言った。
「ダメヨ。鼻血出したら消えちゃうカラ。」


その3秒後に視界から彼女が消えた。
それが夢なのか現実なのかは分からない。
ただ確かなのは、僕の鼻を拭うティッシュが赤く染まっていることだけだ。