ふたし、大空の夢

ちょっと前まで羽振りをきかせていたゼットンとセイヤの話題は今、ほぼ耳にしなくなっている。大方、危ない刑事にでもやられたのだろう。あまりに際どい行動ばかりとっていたようだったから、心配してはいたんだ。まあ、ゼットンとセイヤのことだ。上手く切り抜けるに違いない。


そんな際どい奴らとは正反対に、堅実にしっかりと足を踏みしめて踏ん張ってくれたのがふたしだった。
ふたしは今、俺の心の支えだ。
奴がいなければ、もうとっくにくじけていただろう。
そのくらい現状は酷い事になっている。
まず増田。
いくらみかんをぶつけてもぶつけたりない。
そして怪しげなプロレス団体。
こいつらも一時期は興業成績を伸ばしてくれたんだけど、今ではただの豚だ。
食って寝てばかりいる。
また岩尾ってのもいる。
本名は巌なのだが、あまりのダメっプリに昔の上司に名前を変えられたという男。
こいつもだめだ。
ただし、そこまでダメか?というと極めて疑問で、将来性はあるんじゃないかと個人的には思っている。


んで、俺たちで新しいサーカス団体を始めることにしてみた。
取り分は俺が売り上げの95%。残りの5%が増田とプロレスラー、そして巌だ。
この事を彼らに話したら、ブチ切れて喚いてきた。
そこをふたしが間に入って、奴らの口に豚まんをつっこんでくれた。
ふたしは本当にいいやつだ。
これからも良きパートナーでありたいものだ。