花田少年史 第1話・第2話「はじまりはじまり」「ユキおばけの願い」

ふとした事故がきっかけで、オバケが苦手なのにもかかわらずオバケが見えるようになってしまった少年・花田一路と、自分達の姿が見える彼に頼みごとをするオバケたちの織り成す物語。
物語のはじまりは、道に飛び出した一路が車とぶつかり、病院にかつぎこまれるところから動き出す。頭を縫うほどの怪我をした一路だが、持ち前の体力ですぐさま起き上がる。しかし、この時の一路は以前の一路とは明らかに違う何かを持っていた。オバケが見えるようになったいたのである。


元々、一路はオバケが大の苦手であった。普段はどうしようもないほどの悪ガキな一路もオバケだけはダメ。その一路がリアルオバケを見れるようになってしまったところに、この物語の面白さがある。見たくないものが見えてしまう。それだけならまだしも、見たくもない聞きたくもないものが自分に訴えかけてくる。このジレンマがなんともいえない。そして一路は泣きながらも嫌がりながらも、なんだかんだでオバケの願いを叶えようとする。願いをかなえてくれれば、もう二度と現れたりはしないとオバケが約束してくれたからだ。もちろんこの約束は果たされるのだが・・・。




さて、そんな花田少年史の1・2話は、ユキおばけの話である。ユキおばけとは、ユキと名乗る女性のオバケのこと。そんな彼女にはとても大切な物があった。それはたった一つ、恋人ではなかったけれど大切な人からもらった自分の名前が入ったアクセサリ。他の人からみればそれはなんてことはない安物の金具で作ったおもちゃのアクセサリかもしれない。けれど彼女にとってそれは大切な宝物だった。
あまり言うとネタバレにもなるのでこの辺で。



第1・2話は、切なくもそっと優しいストーリーと絵にメルメルしてしまうこと間違いなしです。まずは一路がどんな人物か知りたい方、古き良き時代の昭和のはじめをもう一度見たい方、胸キュンしたい方、お勧めです。

花田少年史 第1・2話
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