教育テレビ

ドラゴン桜といい、この女王の教室といい、最近の活気のあるドラマは啓発的・啓蒙的なものが多い気がしますね。ちょっと前なら、やれ男と女がふにゃふにゃして、ああなのこうなるの、といった単純に見ているだけで楽しめるものが主流だったが、今では、ああしなさい!こうしなさい!といった、見ている側にも変革を求めるドラマが多い気がするんですよね(電車男も第三者からの啓発という事では、その手の部類に入ると考える)。
メディアの力は大きいですから、これを見た子供たちがどのように人生を考えるのかが楽しみですね。



それでもただ一つ気になるのは、「そのままじゃお前ら負け組みだよ?」というニュアンスを入れて啓発しているところ。ただの啓発の為の理論装置としてこの”負け組み”を用いるのならば殆んど問題ないと思うのですが、本気でそういってしまっていると大問題だと思うのです。
つまり、勝ち組に行きたいとかそんなバカな事は考えない方がいいということ。
みながみな勝ち組になれるわけではない。
むしろ勝ち組になれるのは全体の7%もいないわけです。どんなに努力したって、どんなに頭が良くったって、どんなに他人を蹴落としたって、つまるところこの7%という数字は超えられないのです。
もし、どうしてもこの数字を超えたいのであれば、方法は一つだけです。
”日本以外の他国を侵略すること。”
経済力の弱い国々を侵略し、植民地にするしかない。
そうすればこの7%という数値は上がるでしょう。
もしそれができないのであれば、この7%という数字は今後常に下がり続けると思います。
今、中国をはじめ、昔搾取されていた側の国々が猛烈に経済発展を遂げてきていますから、これまで日本が掌握していた7%という大きさのパイは、これらの国々によって横からがぶりとかじられているわけです。
要するに、金持ちになろうとすればするほど、パイにかぶりついてきた他の国々を殴り倒し、蹴り飛ばさなくてはならない。ゆえに最後までパイにかじりついたものは、周りから疎まれ孤立した存在となる。
なんとも皮肉なことですが、これは日本がこれまで辿ってきた道そのものです。



だからこそ、もう一度勝ち組とは何かついて考える必要がある。
女王の教室にしかりドラゴン桜にしかり、その点がまだ曖昧な気がします。ただ単に、負け組みになりたくなかったら努力しろとせかしているようにしか見えない時もある。啓発したいのであればもっと現状に目を向けさせ、上記のような勝ち組の真実について伝えるべきです。その上でどうしたらいいのか判断を迫る。それができてこそ、初めて啓蒙となるのではないかと考えます。
まあ、楽しければいい、というのも悪くはないんですけどね。