憧れのサマンサタバサ

そう、事の発端は昨日だった。
私の家から大学までの道のりには、2,3の小さな坂が存在する。そして、その中でも小さいとはいえなかなか急な坂が1つある。通常、私はこれをタヌキ滝と呼ぶことにしているが、今日はこの”タヌキ滝”で事件が起こったのだ。


自転車でこのタヌキ滝を降りかけたところ、急激な突風が前方から私の傘めがけて襲ってきたのだ!
その瞬間、右手の傘が悲鳴をあげ、物の見事にまっ逆さまになった。
見事に核分裂を果たしたとでもいうべきか、実験は、まさに成功だった。
だが、残された私は悲惨であった。
大学までは、まだ半分にも至っていない場所での出来事である。
しかも、今日は普段使う鞄ではなく、雨仕様のリュック型ときている。
当然、予備としてもっている折り畳み傘はここには入っていない。


「濡れながら進むか、濡れまくりで進むか、それが問題だ・・・。」