世界幼稚園

「ボク核兵器持ってるの。仲良くしてね。」


「・・・う、うん。」


「ボクも核兵器もってるよ。何かあったら君を守ってあげるね。戦隊モノ大好きなんだよ、ボク。正義はいつも勝たなくっちゃね。」


「・・・う、うん。」


「ボクも最近新しく核兵器持ち始めたんだけど、もちろん仲良くしてくれるよね?・・・あ、いいバック持ってるね。ちょうだいよ。あ、それもいいな。っていうか、君の持ってるの全部ちょうだいよ。」


「・・・う、うん。」




そしてある日のこと。
正義感に溢れるA君となんでも欲しがるN君が、ふとしたことをきっかけに喧嘩を始めました。
激しい口論になった後、N君はご自慢の核兵器をこれ見よがしに出しました。
それを見たA君は鼻で笑いました。
「ボクはもっとすごい核兵器持ってるよ。」
とでもいわんばかりの顔でした。
N君はしばらくの間じっと睨みかえすと、すごすごとその場を立ち去りました。
A君はとても満足そうに、鼻歌を歌っていました。