学食よ、永遠なれ


これまた先日、こんな事を板橋のマダムスに話したら、こう返ってきたよ。
「学食が食べられないのなら、おにぎりもって行けばいいじゃない。」


それはもう、秋葉原でハレハレ愉快ダンスを踊りたくなってしまうほど、実に明快な回答だったさ。そうだよ、おにぎりだよ、おにぎり。普段忘れられがちの、我々日本人のアイデンティティーを猛烈に刺激する正三角形の黒い物体。


おにぎり。



中には何が入っているのか・・・。
たらこか、しゃけか、それとも梅干か・・・まさか・・!?。
こんな事を想像しながらかぶりつくその至福の瞬間。
しかし鼻につく強烈な臭い。
そして思わず叫ぶんだ。
「納豆かよっ!」
納豆なら手巻きにしてくれよと思うものの、何故か食べた後には考えがすっかり改まっていて、「あぁ、おにぎりでよかった。本当によかった。」ってなるのさ。正三角形に込められた愛の力がそうさせるのだよ。


普段、ゴルフクラブ以外は握ったことのないようなセレブには到底分からないだろうこの感覚。それがマダムスなら分かるんだ。伊達につるかめランドで毎日食材を仕入れているわけじゃないってことだ。ましてやセールと聞けば荒川を越えてロヂャースに突撃する。そんな勇気を秘めた人達の握るおにぎりなんだ。ハンパなわけがない。



そうだ。
君はあの集団で動く、まるで北朝鮮マスゲームを彷彿とさせる板橋マダムスの自転車連隊を見たことがあるか?
あれこそがロヂャース遠征を終えたマダムスたちの勇猛に満ちた凱旋の姿だということを知っているか?
まだまだ世間には周知されていない事柄がマダムスには沢山あるが、それも時間の問題だろうと私は思っている。やがて全てが白日の下に表れた時、マダムスは日本を席巻する存在となる。そして世界へ・・・宇宙へと飛び出すんだ。


NASAの宇宙飛行士に板橋の主婦が選ばれました!」
「板橋の主婦、初の月面着陸&月面宙返り成功です!」
「月は兎にいなかった・・・。」



この感動的な出来事を通じて、いよいよ私大でも学生食堂営業時間の大幅な改定が行われる。いや、むしろ行わずにはいられないのだ。そして学食は伝説となる。なぜならそこで働くおばちゃん方こそが、昨年まで宇宙を飛んでいた人、その当人たちだからである。