ゼットンにさようなら

ゼットンがいなくなって部屋ががらんどうとしていた9月の終わり。
うちのアパートは大変な事になっていた。
ふたしが突如の発火で炎上。
1階に入っていた不動産屋が燃え、大事な書類がいくつも塵になった。
さらに滋養強壮剤のトリプルCの在庫が増え、その重みで床が抜けた。
下に住んでいた季節労働者の炭鉱マンが打撃を受けた。
それだけじゃない。
セイヤが再び戻って来たのが、夜な夜な昔のバンド時代を思い出し、盛りのついた猫のように歌うのだ。
その歌が五月蠅いと近所から苦情が連日のように入っている。
また東方太郎氏がスーパーで暴れて損害賠償請求を受ける。
まさに踏んだり蹴ったりが続いていた。


10月に入り、少し落ち着いたかと思いきや、また大騒動が起こる。
悶絶症候群が流行し、アパートの住人全員が感染した。
みんなで悶絶。
3日ほどの悶絶期間が続き、今ではケロッとしている。
が、まだまだ予断はゆるさない。
いつ悶絶が再発するか分からないから、黙って監視していなければならない。


とにかく先月の終わりから今月の頭はきつかった。
風邪には早めの予防が大事というけれど、悶絶も同じだ。
早めが大事だ。
世間で悶絶が流行していると聞いた時、楽観視などせずにしっかりと決断すべきだったのだ。
もう悶絶は嫌だ。
この教訓を活かし、次に訪れるであろう第二悶絶症候群には対応していきたいと思う。