歩いて乗って、流されて!

御茶ノ水から上野、秋葉原を通って人形町、水天宮に永代を通り抜け佃島へ。


「橋が見たいんだ・・・。」
目を潤ませながらそう呟く彼のプランは完璧だった。
上野、秋葉原と見慣れた道を歩く。
昔からこの地域で暮らしてきた彼にとってここは、自分の庭も同然であった。「あそこにはメイド喫茶バンビ、こっちにはフルメタル喫茶モマント、そっちにはホテル、揉まれて飛び出てシュバイヤンマルセン。そしてそこには牛丼太郎。」
道をよく知る彼と共に動いていれば安心だ、そう思った。私は、次々と建物に入るテナント名を言い当てる彼に感嘆していた。