指が攣る

パソコンメールの整理とは違い、携帯メールの整理は酷く大変だ。
そもそも一度に表示できる数が限られており、削除のメニューもPCのようにクリックしゅぽっぱとはいかない。携帯ではいちいち指でぽちぽちしなければならないのだ。全削除ができれば……と嘆きながら、かつてハドソンの高橋名人に教わった16連射で携帯を叩く。時々携帯が軋む音がしたが、そんな事はどうでもいい。今、目の前の滞ったタスクをなんとかしたい。
そんな思いでひたすら携帯のボタンを連打した。


作業中、目に留まるメールが何通も出てきた。
表題は無し。
中身は、”うんち”それのみ。
そんなメールが6通程続いていた。
また、ところどころにカタカナのウンチが混ざってもいた。


尋常ではない。
誰が一体何のためにこんな事を……。
と送り主を見てみると、自分だった。
まさに青天の霹靂。
不思議だ、なんて不思議なんだ。
いったいどうしてこんな事を?
と原因を探ってみることにした。
すると、しばらく続いたうんちメールの前に別のうんちを発見した。
どうもこのメールが今回のうんちの出所らしい。


そのメールとはフットサルで有名な某氏から送られてきたメールで、「今うんちしてる」という内容だった。何故こんな実況を彼が送ってきたのかは極めて謎だが、ともかくもこのメール以前にうんちが見当たらない事から、原因はおそらく彼のうんちにあると断定した。


それからうんちメールを繋ぎ合せていった。その後のやりとりから察するに、そのうんちメールに呼応するかのようにして私がうんちを彼に返した事がそもそもの始まりであった。そしてそのうんちが帰ってきて、さらに別の人にうんちを送信した。それがまた帰ってきて……と繰り返し、結局はうんちが6つも出てくることになった。


忘れていたこととはいえ、こんな心温まる会話のキャッチボールが行われていたことに感動した。
うんち、それは人と人を繋ぐ言葉。
比べてみるのも、悪くはない。