取材拒否の店

ふたしくんがどえりゃー暴れるもんだから、その暴れっぷりを聞きつけたNHKが取材にきたんだよ。ビデオで暴れる様子を撮っていきやがったんだ。あぁ、NHK?ニッポンヒキコモリ共和連合国とか言う新手のネットテレビ業者だよ。んで、そいつらがその日の午後に早速ネットで流しやがったんだ。おかげで、ふたしくんの顔がバッチリ割れちまってさ。しかも壊したものから何からしっかり映ってんの。んで、このロボットの持ち主は誰だって反響がすごかったらしくてさ。俺のところに請求書の山さ。んなもん、払えるかってんだよ。大体壊したのはふたしくんで俺じゃねーし。


そんな訳でしばらく不貞寝してたら、アジア系のレスキュー隊がやってきてさ、玄関のドアを叩くんだよ。
俺たちも怪我したから金よこせって。
なんなのこいつら、ふたしも止められんかったくせにと腹がたったけれど、見ると哀れっぽい顔してたから、とりあえず面倒だけ見てやることにした。おかげでふたしの損害賠償とアジアンレスキューの治療費で財布の中圧迫さ。


あれからふたしくんの方はその後慈善事業活動かなんかにロボットの趣味かよくわかんねんだけど活躍してくれて、賞金とかももらってきてくれるようになったよ。それでも損害賠償額の方がでかいんだけどさ。問題はアジアンレスキューだな。こいつらまだ治療してるんだよ。医者は「もう動けるでしょ」って言うんだが、本人たちが動きたがらない。毎日のようにテレビ見て、家でごろごろしてるよ。まいったね。早く出てってくれよっていうんだけど、そう告げるたびに声を張り上げて喚くんだ。なんとかならんかね、これ。巷では韓国から声がかかっているとかで結構評判が良いみたいだけど、実際に使ってみるとどうかなってところはあるな。どうかなってレベルじゃないんだけどさ。