続・セイヤとゼットン

こいつらのことも、もうしっかり覚えてくれてるよな?
大阪のお好み焼きやのおっちゃんが俺に懲らしめてくれって依頼してきた二人で、うちセイヤについては封書が来たんで解放したんだけど、なぜか捕まえた俺じゃなくて、見ず知らずの巡査長が表彰されたって話。あったまにくるねー。今、思い返しても腹立つわ。


まあ、そんな感じで残ったゼットンはまだうちにいるんだけどさ。
相変わらず食糧食べまくりさ。
しかも環境に優しい人になりたい宣言出したってーのに、その後の何も言ってこねーんだよ。それどころか、俺が留守の間に近場のピザ屋に大量発注かましててさ。戻ってみたら、ピザの山よ。ほんと最悪だね。しかもうちだけじゃなくて、隣の小堺さん宅までピザ発注してやんの。アホだろこいつと本気で思ったわ。


そんな中、ひとつ良いことってほどの事でもないんだけど、まあ解決になるようなことがあってさ。
おっちゃんから手紙が来たんよ。
手紙には、今ちょっと大阪に帰れないからもう少しまってーなって。
そんで、その手紙と一緒にお礼としてお好み焼きの元が入っていたんだけど、俺つくれねーし、と思ってこれは送り返しちゃったんだよね。
あぁ、大失敗さ。
後で聞いたら、そのお好み焼きの元の粉だけでゼットンの胃袋を3日ほど満たせるらしいんだよ。
いやー、話は聞いてからにするもんだねとこの時は身にしみたわ。


あと、ゼットンの件で真珠夫人にも責任をとってもらう話をしたら、プロパンガスの風船をよこしたよ。なんでもこの風船でお空を飛べるかもしれないって説明書きが書いてあるんだよね。ちょっと興味があったんでさ、それ持ってベランダ行ってみたんだけど、なんかね風船の裏に但し書きでこう書いてあんのよ。
「割れる場合もあります、ご注意ください」
うわー、こえぇーわ。とか思ったけど、とりあえず試してみないことには始まらないじゃん?
だから一階へ行って、そこからやってみることにしたわ。
ここから浮けば、この風船も本物だろうしね。