ディーダの下に

ゼットンの話を終えた頃、スーツ親父は「それでオチは?」ってな顔をした。
俺はニヤリと笑って返した。
いいから俺の話を最後まで聞けという意味だったが、親父は何を勘違いしたのか尻をまさぐってきた。
その手を握り、柔道10段の技でひねり返してやった。
そのためしばらくの間、オヤジが目覚めるまで待たねばならなかった。


スーツ親父が寝ている間、俺は新宿ディーダの店のことを想った。
今はもう無い新宿ディーダ。
多くの人が行き来し、そして去っていった。
今は別の店が建っている。


あの時頑張ってくれた東方太郎氏は、私に黙って裏で開発していたプログラムを某社に提供し金を得ていた。
しかしそのプログラムに重大な欠陥が見つかり、そのせいで某社はウン十万ドルという大金を失った。
今では某社に雇われたトランスポーターからその身を追われている。
捕まれば、おそらく命はないだろう。
彼は今、うちの押し入れにいる。
だめぽと入れ替わりで彼が入ることになった。


そう、だめぽだ。
だめぽは一時、かつての信頼を取り戻し、リーグ戦に復帰か?と思われたが、どうもそう上手くはいっていないようだ。
リーグ戦の途中に飲んだトリプルCXがまずかったらしい。
その後5分としないで腹を壊し、フィールドの上で脱糞した。
翌日、各新聞社はだめぽの事をこう描きたてた。
「フィールドの脱糞士」


そんな風にだめぽの事を考えていた時、スーツ親父が目覚めた。
何が起こったか良く分からないらしく、またすぐにニヤニヤし始めた。
俺は再び話を続けた。