トンネルドライブ

「長い闇から抜けて飛び出してきた……のが見えるかもしれないよね」なんて訳のわからんことを、近所の小判侍の金太郎がほざいていたので、喜んで背中をぽんっと押してやった。金太郎はとてもうれしそうに「あぴゅーん!」と言いながら飛んで行った。


とかなんとかで、そんなわけなんだけどさー。
ってさっぱり状況が分からないって?
ぶっちゃけて言うと、俺も状況が分かってないんだよ。
もうしっちゃかめっちゃかっていうの?
そんな感じなのよ。
明日がどうなっているかなんてさっぱり分からないし、その先なんてまるで分からないね。過去を見ればなんたらって言う人がいるかもしれないけどさ、過去なんて当てにならないんだよ。
まあ、そんな感じで世界は動いてるっていうの?
今はとにかくピカチュウに上手く慣れた奴だけがいい感じになっていけるってかんじかな?だからちょっとでも他のポケモンになっちまった奴はさ、残念だけどハイ、出番終了ですってなりかねないわけ。


てな話を家の玄関で隣のおばちゃんに語っていたんだけどさ、そこに宅急便の人がきたわけよ。
んでコイツがなんて言ったと思う?
「ロリロリハニー、終点はこちらですご主人様♪」のお届けにあがりました。
なんて真顔で言うわけよ。
ばかじゃねーのテメーって思ったさ。思ったよ。
んでも俺がそう思っている以上に、俺を見つめてくる隣のおばちゃんが俺の事をそう思っていたろうね。
物凄い形相でさ、「あんた、なんばしよっとね」って、さも言いたげな表情でみてくんのよ。見つめてくんのよ。
いや、俺じゃないっす。これ俺じゃないっす。
って断り入れたらさ、また宅急便の配達員が言うのね。
「お届け先はここで間違いないと思うんですが……」
まいっちまうよ、全く。