ロンドンチャペルで会いましょう♪

モーグリオ「それが噂の黒いブリーフか。」
サレアーニオ「そうさ、これが黒いブリーフ。一振りすれば豚のヒヅメも真っ二つ。愛を語る暇さえもあたえず揺れ動くベランダのハンカチーフのように、このブリーフもまた小刻みに揺れてはただただ皺を作る。そうして作られた皺を見て、おばさんが叫ぶのさ。”あらやだ、また仕事が増えたよ!”」
モーグリオ「僕はそのおばさんに恋をしてしまいそうだよ、サレアーニオ。」
サレアーニオ「待ってくれ、おばさんは黒いブリーフを穿かないぞ、モーグリオ。それでもいいというのか?あんなに黒いブリーフを愛していた君が?」
モーグリオ「かまわない、僕にはブリーフよりも愛する者ができたんだ。」
サレアーニオ「わかった。君がそこまで言うのなら、僕は君の背中を一押しよう。さあ、おばさんの下へ行くんだ。言って素直に自分の気持ちを吐露したらいい。」
モーグリオ「どこまでも続く闇の中に見える赤い光。それは夢かそれとも現実か・・・。とにかく行こう、おばさんの下へ。サレアーニオ、タクシーを呼んでくれないか?」
サレアーニオ「わかったよ、モーグリオ。・・・おい、タクシー!こっちだ。金はないが愛はある。彼を乗せてやってくれ。」



禁断の愛とは知りながら、それでも突き進もうとするモーグリオ。一方、友人の愛を実らせるため、文無しでありながら奮闘するサレアーニオ。二人の行く手に幸福な未来はあるのか。


次回、「メタモルフォーゼで捕まえて」をお送りいたします。